靴を履き玄関を出ると、遠くの方を歩いている藍の姿が見えた。 高い建物が全くない、THE田舎。 なんて人探しがしやすいんだ。 藍に追いつこうと走り出す。 右も左も田んぼに挟まれた1本道を走ると、子どもの頃を思い出す。 気持ちが良くて、懐かしくて。 そんな、オレが幾度となく通った道を、藍が歩いていて。 藍がオレの思い出の中を散歩している様で、何だか不思議で、何でか嬉しい。 「藍!!」 そんな藍に追いつき、捕まえた。