ただ、オレは同時にみんなを幸せに出来る程、頭が良いワケでも、器用なワケでもない。







だから、今日は優貴の為に動く。







次は藍の為。 その次は、藍と優子とオレの親の為。








必ず幸せにするから、今日のトコロはゴメン、藍。








心の中で謝罪しながら








「気をつけてね、藍」








と、外に出ようとしていた藍に話掛けると








「うん。 行ってきます。 優貴の事、宜しくお願いします」







藍は、優貴とオレに微笑むと、優子の両親に頭を下げ茶の間を出て行った。