・・・・・・・・・・・などと思っていたのはオレだけで。








「・・・・・・・・・・やっぱ敵わないわ。 優子さんには」








そう呟くと、藍が少し悔しそうな表情を浮かべた。








「そりゃ、そうだよ」








そんな藍を、優貴がダメ押す。







・・・・・・・・・・・・って、優貴!! 思ってても口に出すなよ、ばかやろう!! 優貴、優子の前ですっかり子どもに返ったな。









「優貴!!」








怒りを込めて、優貴の腕を少し強めに握ると、『痛いし』と言いながら優貴がオレを白けた目で見上げた。








「オレの中では、オカンは一生お母さんには敵わないよ。 ただ、お母さんもオカンには敵わない。 だから、2人とも1位。 ・・・・・・・・・・でもオカン、負けず嫌いそうだからなぁ。 それじゃあ納得いかないカンジ??」








優貴が、今度は首を傾げながら伺う様に藍を見上げた。








『フッ』藍が小さな息を漏らして笑うと、さっきの悔しげな表情から優しい顔になった。








「ワタシは1位だったらなんでもイイ。 単独1位じゃなくてもいい。 優貴の中で、ワタシの存在が優子さんと同じ位なら、それでいい。 むしろ、それがいい。 だって、優子さんを追い抜く日なんか絶対に来ないから」







『お茶冷めちゃうから、早く行こう』藍が優貴の手を引くと、『はーい』優貴が藍にも子どもっぽい笑顔で返事をした。







そんな光景を見ていると、今日ココに2人連れて来て本当に良かったなと思う。








優子、本当にありがとうな。