「お茶が入りましたよー」








隣の茶の間から、オレらを呼ぶ優子のお母さんの声がした。








「あ、すみません。 お気遣いありがとうございますー」








藍が返事をしながら素早く立ち上がった。








藍は『優貴はゆっくりでいいよ。 お母さんと話たい事、いっぱいあるでしょ??』と優貴に『後からおいで』と優貴の頭を撫でると、『行こう、大貴』とオレの手を引いた。







きっと、優貴を優子と2人きりにさせてあげたかったのだろう。








『うん』藍に手を引かれるまま仏間を離れようとした時









「オレも行く。 話の続きはまた来た時でイイ。 ・・・・・・・・また、連れて来てくれるよね??」








優貴がオレの服の裾を握った。








「モチロン」








優貴の頭をワシワシ撫でると、安心した様に優貴が笑った。








普段大人っぽい優貴が、歳相応の子どもと同じような笑顔を見せた。








やっぱ、優子は偉大だな。








優貴は、オレと藍にはこんなに気を抜いた笑顔を見せてくれない。








やっぱり、まだまだ他人行儀な面がある。







・・・・・・・・・・・・・そりゃ、そうだよな。 だってオレら、家族になったばっかだし。








焦っても仕方ないよな。 ゆっくりゆっくり・・・・・・・・・。