-----------------そして土曜日。







3人で新幹線と電車を乗り継ぎ、優子の実家へ。








優子の両親は、自分の娘に1人で優貴を育てさせ、挙句『これからはオレが育てます』などと孫を奪って行ったオレの事を嫌っているかもしれないと、一抹の不安があったのだけれど、意外にも笑顔で迎えてくれた。







そんな事よりも、優貴に会えた事が嬉しかったらしい。








ただ、優貴の方はやっぱりまだ蟠りがある様で、優子の両親に『ペコ』っと頭を下げるとスグに優子の写真が飾られている仏間へ行ってしまった。








そんな優貴の後を、藍と一緒についていく。








3人で仏壇の前に正座し、線香をあげ、手を合わせる。








目を閉じ、心の中で優子に藍を紹介した。 そして








『これからは、藍と2人で立派に優貴を育てあげてみせるから。 安心して見てて、優子』








優子に宣言をして目を開けると








優貴はまだ目を閉じたまま、優子に手を合わせ続けていた。








きっと、優子に話したい事がたくさんあるのだろう。








藍の方に目を向けると








藍はじっと優子の写真を見ていた。