「藍、入っておいで」
優貴が自分の部屋に逃げ込んでしまったので、寒い思いをいただろうドアの向こうにいる藍を呼ぶ。
「・・・・・・・・・・・ゴメン。 くしゃみ、飲み込めなかった」
ドアを開け、申し訳なさそうにソファーに寄って来た藍の腕を引っ張って、自分の隣に座らせる。
藍の手、冷たいな。
「無理だろ。 くしゃみ我慢するって、しゃっくり止めるより難しいだろ。 ・・・・・・・・・・てか、ゴメン。 お風呂あがったのだいぶ前だろ??」
藍の手を両手で包んで暖める。
「イヤ?? そんな前でもないよ」
藍がオレの手を握り返してニッコリ笑った。
藍は本当に、優しい嘘吐きさんだ。