-------------------『はっくしょい』
優貴との話も終わりかけていた時、リビングのドアの向こうから、藍のくしゃみが聞こえた。
オレと藍の寝室は、リビングを通らなければ行けない。
きっと、とっくにお風呂からあがっていたのに、オレらの話を邪魔しない様にと待っていてくれたのだろう。
藍の心遣いに優貴も気付いた様で
「オレ、もう寝るわ。 おやすみ」
優貴が笑いながらソファーから立ち上がった。
「待て優貴。 確かにオレは算数苦手だったけど、藍は超絶得意だぞ!! 寝る前に5分だけでも教えてもらえば??」
優貴の手首を握って止めると
「明日のテストは捨てるー。 次から教えてもらうわ」
優貴はオレの手を振り払って自分の部屋に逃げてってしまった。
多分、算数の勉強をしたくないっていうのも本音だと思うけど、オレと藍の2人きりの時間を邪魔しないようにと気遣ったのだろう。
違うのになー。 確かに藍との2人だけの時間も欲しい。 だけど、優貴と3人でいる時間だって大好きなのに。
なんで1日って24時間しかないんだろう。 全然足りないんですけど。
もっといっぱい家族と一緒にいられる時間が欲しいんですけど!!