目を輝かせてオレの話に喰いつく優貴に、もっと優子の話を聞かせてやりたいと思った。
「・・・・・・・・・・・優貴、小学校や中学校時代の優子の話、聞きたいと思わないか??」
「・・・・・・・・・・・て言っても、お父さんは高校時代のお母さんしか知らないでしょ??」
『何バカな事言ってんの』と優貴が呆れた視線をオレに向けた。
「・・・・・・・・・・・いるじゃん。 優子が生まれた時から知ってる人が」
オレの言葉に、優貴の右眉がピクっと動いた。
「・・・・・・・・・・・」
顔を歪めて無言でオレを見る優貴。
「・・・・・・・・・・・優貴はおじいいちゃんとおばあちゃんの事、恨んでいるかもしれない。 でも、優子はそうじゃなかったと思うよ。 優子は自分の両親の事、大好きだったんじゃないかな。 優子はさ、どうしても優貴の事が産みたくて、でも自分の親が世間に変な目で見られるのも嫌だったから、誰も知らない所で優貴を産んで育てたんじゃないのかな」
「・・・・・・・・・・・・」
優貴が、その黒目がちな瞳に涙を溜めると、グッと唇を噛み締めた。
優貴だって、大好きなお母さんの親を恨みたかったワケではないだろう。
ただ、優子が死んでしまったという不幸の怒りの矛先を、誰かに向けなければ立っていられなかっただけ。