「・・・・・・・・・・・優子は、物静かででも暗いってワケでもない子で、自分の意見を通そうとする事はあんまりなくて、他人の話を『うんうん』って聞いてくれる様な、穏やかな人だったな」







『そんな優子に恋をしたんだよ』と言うと『オカンと真逆のタイプなのに』と、優貴が嬉しそうに笑った。







優貴がこんなに楽しげに笑ってくれるなら、もっと早く話してあげれば良かった。







後悔しながらも話を続ける。







初デートの話、修旅、体育祭、文化祭。 優子の赤点補修に付き合った事。








話す度に蘇る、優子との思い出。








オレの高校時代の記憶には、必ず優子がいた。








優子がいたから、オレの高校時代は最高に楽しくて輝いていた。








・・・・・・・・・・・・でも、オレが優貴に語れるのは、高校時代の優子だけ。