ピコンピコンピコン。

ケータイのアラームが鳴る。
手探りでうるさい音を止め、やっと目を開ける。
時間は5時40分。

早すぎたか?そう思いながら嫌々ベッドから体を出す。

昨日は入学式。
今日から通常で新しい日常が始まる。

始めの日くらい遅刻したくないし、後から入って
話しかけられるのもいやだ。

だから今日は早く行くと決めていた。

支度をし家を出る。

いつも通り母の履いてる赤い靴はなかった。

駅につき時間をみると、6時30分。

電車が来たのでそれに乗ると、朝早いからなのか
人は少なく外の景色を見ながらリラックスをした。

気づくと教室の前。誰もいないとわかっていても
少し深呼吸をする。

すぅ、はぁ。

ドアを開け教室に入る。

私の席を教室の入り口から眺める。

でも私の席は眼に入ってこなかった。

私の席の横にいる一人の男によって。