「そっかあ。あ、電車きた〜」

知らないうちに駅に着いていた。
一緒に切符を買い、同じ電車に乗る。

「今日は入学式だったから、制服の子が多いね〜。」
「そうだね。」

電車は静かに景色達を追い越し、次々新しい景色を
映し出す。それを見ているだけでなぜか安心する。

「綾菜ちゃん今度遊ぼうね。」

私は答えなかった。

すると桜庭さんの方から小さな舌打ちが聞こえたのは、
気のせいだったのかな。

「じゃあ、私ここで降りるから。またね。」
「あ、うん1また明日ね、綾菜ちゃん!」

やっと一人の時間ができ、周りの景色を見ながら
すがすがしいような気持ちで、家に入った。

いつもどおり家の中は暗かった。