『「ち、ちょっと、大丈夫?!」』




「あ、あぁ。‥てか、それよりさ、
その、オレンジ色だっけ?
顔も見てないくせに頭に残ってるとか、よっぽど変な髪型だったのか?笑」


『ちっ、ちがうもん!
さらさらで、キラキラしてたんだもん!
奏太の短髪とは全然ちがうもーん!』

バカにしたように笑う奏太に、なんだか悔しくなったから、負けじとドヤ顔でゆってやった。(笑)


元野球部員の奏太は、坊主ヘアをそのままのばした髪型。まぁ、顔もまあまあかっこいいし、似合ってるんだけどね。

でも、オレンジ色のあの髪の毛をバカにされたことがなんだかとっても悔しかったんだ。

「ふぅーん。」

奏太はつまらなそうに言った。

「でもさ、髪型とちょろっと顔を見ただけで、恋って始まるもんなのかよ?
そんな簡単なもんじゃないと思うけどなぁー。」

さすが面食いの考えだな、と奏太は今度は優衣を見てバカにしするように言った。

「ちょっと?!誰も恋が簡単に始まるなんて言ってないでしょ?!
そーれーに、顔だけ見て好きになるわけじゃないけど、顔だって大事よ?!
だって自分の彼氏がブサイクだなんて、嫌じゃない!‥ねぇ葵、そう思わない?」

優衣は祈るようにして私の返事を待っている。

『んんー‥そうだなぁ‥』

「なぁ葵、男は性格‥中身だよな?!」

男は中身を見るべきだよ、と言う奏太。

それに対し、
「ねぇ葵?!中身だって大事だけど重要なのは外見よね?!」

外見よ外見!と言う、優衣。

‥なんだかもう天使と悪魔の戦いのようになってきてしまった。
‥どっちが天使でどっちが悪魔かなんて、秘密だけど♪(笑)

「ねぇ、」
「なぁ、」
「「どっち?!」」

‥‥
『うぅーんと、

‥どっちもーー!♪』


‥だって普通、そうでしょ?(笑)




どっちか、なんて選べないよー!