『ねぇ、優衣。
あのさ…先輩のなかに、オレンジ色の髪の毛の人、いなかった?』
長い長い入学式のあと、喉の乾いた私たち幼なじみ3人組は、自販機のコーナーにきていた。
優衣はレモンティー、奏太はコーラ。
私はミルクティーを買った。
「えぇ、オレンジ色?!
…そんな人いなかったと思うけどなぁー…それに第一、そんな人いたらものすごく目立つでしょ(笑)」
…うん、ものすごく目立ってたんだけどなぁ。(笑)
「え、なになに?かっこよかったの?」
優衣がにやにやしながら聞いてくる。
『ううん、顔は見えなかったんだよね。
…だけど、その、なんてゆうか…
すごく頭に残ってるんだ。』
「ほほう、そっかそっか。
オレンジ色‥ねぇ。今度会ったらしっかり顔見ときなよ。もしかしたら、恋が始まっちゃうかもしれないしね♪」
「‥ゴホッ‥!!」
話を聞きながらコーラを飲んでいた奏太が、恋という言葉を聞いた瞬間激しくむせた。