まだ中身は見ていなかったのに、やはり予想通りラブレターのようだ。

ひよりは俺の顔を下から睨み付けて、言った。

「何で言ってくれないの?」

「えっ、あっ、いや、別に言わなかった訳じゃ……」

「秋人の馬鹿」

ひよりは手紙を俺の胸に押し付けると、ダッと後ろを向いた。

「ひよ…り…?」

「じゃあね、秋人。また明日」

ひよりはそのまま俺の顔を見ることなく、走って行ってしまった。

「また明日って……。ひよりの家まで送ってやろうと思ったのに…」

俺はカリカリと頭を掻いて、自分の家へと向かった。

誰もいない、いつもの家へ。