俺と冬哉さんが着いた先には呆然とした。
風で分かる。…かなりの激戦だったのに…
何も出来なかった。
俺はポツンと立つ最愛の人を見つけ、走り出した。…近くに行けば行くほど、違和感がある。雪奏ならもう振り返って『颯斗!』って俺を呼ぶ筈なのに…それが無い。
「雪奏…?」そう呼んでも反応が無く、雪奏の肩を触ると糸が切れた様に俺の方へ倒れた。
俺は抱き止めると違和感が何なのかハッキリした。…雪奏の唇が紫になり、顔が青白い。
「雪奏…?おい!雪奏!!」揺すっても何も反応しない。…冬哉さんが俺たちの方へ来ると雪奏を見て、
「大丈夫。力を使いすぎて気絶しているだけだ。…雪奏を寝かせられる所へ行くぞ。」と言うから
「俺の家が一番近いです。」と言うと、後は何かあれば連絡する様、警察官に冬哉さんが言い、治療が終わった長谷川の妹や気絶している長谷川、消耗が激しいさくら、暗くなっている速水を連れ俺の家に向かった。