静かな場所。俺と冬哉さんの足音だけが聞こえる。──俺は風の音も聞こえるが。

時宮家の墓、そこに連れて行って雪奏の曾お祖父さんに会いたい。そう冬哉さんに言った。

墓に着き、俺は墓の前にしゃがむと

「じゃあ始めるぞ。」と冬哉さんが言った

「始めまして。五十嵐颯斗です。」と言うと

─始めまして。雪奏の曾祖父、氷朗だ。─
そう聞こえた。

「実は─」そう言おうとしたら

─いや、大丈夫。分かってる。ジャックの時が知りたいんだろう?─

「ありがとうございます」と言うと

──ジャックは炎と風、氷に長けていた。クイーンとキングは炎、氷、水、風、土、雷、無、回復、そして闇を使えていた─

「闇…ですか?」と言うと

─あぁ、光は淀みを祓う事が可能だが、闇は人や動物を悪意だけ残し、自分の仲間にしてしまう。…雪奏なら闇に染まっても取り返せる。…ひ孫を頼んだ─そう残し消えていった。

「…ッ!!直ぐに帰るぞ!!戦闘が始まってる!!」そう言って冬哉さんはかなりの速さで走っていた。…もうすぐで40代なのにあの速さ…!と驚きながら俺は全速力で走った。