二人は道場から出ていき、俺たち二人きりになった。
「雪奏。雪奏が背負ってるもの俺にも背負わせてくれないか?」そう言うと雪奏は俺に抱き付くと俺の胸で泣き始めた。
…不安で押し潰されそうだったんだな?
俺たちが居なくなるかも知れないって。
だから強い力を求めた。皆を守れるだけの強さが欲しいから。
雪奏の頭を撫でながらそう考えた。
泣き疲れて寝てしまったから横抱きにしてからリビングに連れて行って冬哉さんたちに
「すみません。雪奏、泣き疲れて寝てしまったので、部屋に寝かせます。」と断って
雪奏の部屋に行って、ベットに横にさせてから手を包む様に握ると、
「ごめんな?…生徒会に次期当主、対策課班長。強すぎる名前に疲れてたのに…俺たちに力の使い方も教えて《ヘル》。一杯一杯だよな。」俺は考え、扉の向こう側にいた冬哉さんに
「冬哉さん。…お願いが有るのですが──」と扉の向こう側に言った。