捜査本部に戻ったら、「風宮から電話が来た。」と伝言だった。…私は不審に思いつつ電話を掛けた。

『此方でおかしな事が有りまして、お力をお借りしたく、お電話させて頂きました。』と言う風宮家当主。

「私で良ければ。」と返し、

『遺体が幾つもの穴が開いているのです。…酸などでは無く力と言うのは此方でも分かったのですが、禍々しい力を使う物を放っとけばまた被害者が増えてしまうので是非お力を…』と風宮の当主が言った。

「…資料を頂けますか?確かめたい事が有ります。」と私が言うと

「ありがとうございます。資料は時宮邸に送らせて頂けます。」と言って電話が切れた。

…《ヘル》の一族。そんな言葉が頭に浮かんだ

あの一族は私たち【宮】家の対極の存在。

…ッ!!もしかしたらこっちの事件も?《ヘル》…なのかな?…いや、でもあの一族はこっちに来た途端に消える存在の筈。

…何故…。

ふと、空を見ると曇天になっていた。…さっきまで晴天だったのに…

火宮に協力を要請すると《ヘル》の一族が一番近いんじゃないか?と言われた。