ーside颯斗ー

えっ!?はっ!?せ、雪奏!?俺…後ろから抱き締められてる!?

…や、ヤバい!風が暴れ出してる!!制御しようとも後ろの雪奏に気を取られて集中出来ない…!…風が、これ以上は完全に暴走する!!

「大丈夫。私の心臓の音を感じて?」って言われても俺の心臓がバクバク言ってるから…!

ん!?これか?俺の心臓以外にトクン…トクンって言ってる…あれ?風が落ち着き始めた。

「そう。その調子。…次は私の心臓を感じながら力を使ってみて?」雪奏が言うからやってみると…ッ!!何時ものさじ加減なのに何倍もの風力が…!!!!

「そう。次は真空刃を使ってみて?」言われて使ってみると、同じなのに同時に8枚出来た…!…雪奏は離れて

「今までと今回何が一番違った?」って聞かれた。

「1枚の力に使う量がかなり軽かった。…あ、もしかして。俺1枚に使う力の配分、あと余計な所に力を垂れ流していたんだ…」と自分で答えを見つけた。

「正解。集中の仕方で随分違うの。…今の感覚を忘れないでね?」って雪奏は言った。