頬杖をついて言った俺に、

「まだ、中学の時の喧嘩を引きずってるのかよ?」

と、将が呆れた様子で言った。

 それも一理あるし、今、俺はただ茉莉奈のペースに乗せられているだけかもしれない。

 ただ、茉莉奈からの告白にまだ驚いて混乱しているだけかもしれない。

 …でも、あの時に感じた気持ちは俺自身の、嘘のない気持ちなのは俺もよく分かっているつもりなんだ。

 あの日、大事にしていた気持ちを、あんな些細な喧嘩で押し殺してしまった俺。

 その気持ちが、まだ俺の中にいた。

 あいつの存在がずっと居座り続けたように、ひっそりと。

 だから俺は、確かめないといけない。

 この気持ちと、あの日の事を。

 じゃないと、俺はまた逃げてしまいそうなんだ。真剣な茉莉奈の気持ちから。

 今度はちゃんと、向き合ってみたい。

 十三歳の俺とは、お別れだ。