「萌も着替えに行くわよ」


「う、うん」



そういえばゆっちゃんはもう着替えてる……


いつ着替えたのかな。



「霧谷とどこ行ってたの?」


「あ、未希さんのとこ行ってたの」


「へぇ、未希姉のとこ行ってたんだ。もしかして写真?」


「うん」



更衣室になっている教室に向かいながら、あたしは今日のことをゆっちゃんに話す。



霧谷、写真苦手そうなのに……意外ね、とゆっちゃんは少し驚いていた。


ふふ……霧谷くんは優しいからなぁ。



教室に着き、あたしはできるだけ早く着替える。



「お待たせ」


「ん、じゃあ行こっか」


「うん」



しばらく歩いてからそういえば、とゆっちゃんは口を開く。



「萌、未希姉のとこ行ってたんだよね?もしかして……あのこと言った?」


「い、言ってないよぉ!!」



カアァ、と顔が赤くなる。



「そ、それに言うつもりもないよぉ……」



霧谷くんに知られたら……考えるだけでも恥ずかしい!!



「まぁ、そうよね」


「ゆっちゃんも言わないでよね!」


「分かってるわよ」



よしよし、と頭を撫でられる。


話しているといつの間にか教室に着いていた。


ゆっちゃんと中に入ると峰くんと霧谷くんが何か話していた。


霧谷くん……いつもの格好に戻ってる。



「あれ、みんなは?」



確かみんなで打ち上げみたいなのしようって言ってたような……



「あぁ、打ち上げならまた後日しようって。みんなもう帰ったわよ」


「そうなんだ」



今日は大変だったもんね。


みんな疲れたんだろうな……



「よし、桃ちゃんと夕希ちゃんも戻ってきたし、俺らも帰ろっか」


「あ、もしかしてあたしが待たせちゃった?」


「大丈夫ですよ。陸真も僕もさっき来たばっかりですから」


「そうなんだ。よかった」



あたしはほっと息をはく。


だって待たせるのは申し訳ないもん。