え、と言うことは……霧谷くんにもすでにバレていたりするのかな?
だったらかなり恥ずかしい。
「桃ちゃん告白しねぇの?」
「告白っ??」
ここが図書室だということを完璧に忘れて、あたしは大きな声を出してしまった。
と言っても、今はあたしと峰くんしかいないけど……
「だって好きなんだろ?すればいいじゃん。告白」
「む、無理だよっ!!」
「なんで?」
「なんでって……」
真っ直ぐな峰くんの視線から逃げるようにあたしは顔を俯けた。
「別に……あたしは今のままでいいよ」
今のままで幸せだもん。
「遠くから見て、少しだけ話して?友達以上になりたいとか思わねぇの?」
「そ、そういうの想像できないし……」
落としてしまった本を拾って机に置く。
「ふーん……桃ちゃんにとってきりやんはその程度だったってわけだ?」
からかうように言われて、思わずカッとなる。
「そんなことないもん!あたしは霧谷くんのこと大好きだもん!!」
「どこがー?」
「こ、声とか綺麗だし、手とか字とかも綺麗だし背も高いし、すっごく優しいもん!!……って、あれ?」
なんであたしこんなこと言ってるんだろう?
「ぶはっ!!桃ちゃんサイコー!!!」
ケラケラではなく、もはやゲラゲラとお腹を抱えて峰くんは笑いだす。
あたし……からかわれた?
カアァ、と益々顔が熱くなる。
うぅー……恥ずかしい。
「桃ちゃんさー、そんな好きならやっぱ告白すればいいのに」
「だから無理だって……」
好きだけど、恥ずかしいし……
「桃ちゃん…今の愛の告白聞いたし、桃ちゃんがきりやん……流のこと大好きなのは分かったよ」
「ながれ?」
「きりやんの名前」
霧谷くん、流って"ながれ"って言うんだ……