助けを求めてゆっちゃんと峰くんを見るけど、二人は二人で盛り上がっていて助けを求められる雰囲気じゃなかった。
うー……霧谷くんに会いたいよぉ。
和樹くんの話にたまに返事を返しながらあたしはちゅー、とジュースを飲んだ。
「あ……」
ジュース終わっちゃった……
ここにいても楽しくないし、ゆっちゃんに言ってもう帰ろうかな……
結局、どうしてあたしここに来たんだろ。
ヤキモチがどうとか言ってたけど、よく分からない。
「お、萌チャン、ジュース終わったの?」
「え、うん」
だからもう帰るね、と言おうとしたのに、和樹くんは新しいジュースを頼んだ。
うー……これじゃ帰りたくても帰れない。
だってわざわざあたしのために注文してくれたし……
もう一杯だけ飲んだら帰ろう。
「はい、萌チャン。オレの奢りね♪」
「あ、ありがとう……」
和樹くんから渡されたのは綺麗なピンクの飲み物。
「綺麗……」
あれ、でもこんなジュースあったっけ…?
「それ飲むとき、できるだけ一気に飲まなきゃならないんだよ」
「え、そうなの?」
だから見たことなかったのかな。
「じゃあ、いただきます」
「どうぞ〜〜」
どこかにやにやしている和樹くんを不思議に思いながら、あたしはピンク色のジュースを飲んだ。
できるだけ一気に。
あ、桃味だ〜、と思ったところであたしの意識は途切れた。