陸真はあぁ言ったが、不安は消えない。
萌を騙していたことには変わりないから。
かと言って、このまま黙っているのはもっと嫌だ。
「どう言うか……」
はぁ、と悩んでいるとケータイが鳴った。
……誰だ?
見てみるとメールが一件きていて、送り主は萌だった。
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萌です。
今日は改めて送ってくれてありがとう。
凄く嬉しかったです。
霧谷くんの彼女になれたのも、夢みたいに嬉しかったです。
また明日、学校で会おうね!
P,S
これからは、いろいろな霧谷くんを知っていきたいです。
大好き、霧谷くん。
おやすみなさい。
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「……反則だろ」
今悩んでいた問題が払拭された気分だ。
自然と笑みがこぼれる。
「陸真の、言う通りだったな」
多分、萌なら俺の素の姿を見ても軽蔑なんかしない。
嫌いになったりはしないだろう。
でも、もう少しだけ待っててほしい。
俺の覚悟ができるまで。
俺は萌にメールを返してから、中断していた勉強をし始めた。
明日の学校を楽しみに思いながら……
Fin.