慌てて紙袋からラッピングされたプレゼントを取り出す。



「これ、流に。クリスマスプレゼントです」



どうぞ、と手渡すと流はあたしに優しい笑顔を向けてくれた。



「ありがと。開けてもいい?」


「うん」



あたしがあげたのはブックカバーとブックマーク。


クリスマスプレゼントとしてはどうかな、とも思ったけど、他に流がいつも使うものが思いつかなかったし。


ちゃんとしたクリスマスとしては……



「はいっ、これも!」



あたしはふわり、と流の首もとにマフラーをかけた。



「これ、もしかして萌の手作り?」


「う、うん」



照れるなぁ……


あたしが作ったのは紺色のマフラー。


黒にしようとも思ったんだけど、流って私服が黒のイメージだったから、たまには紺もいいかな、なんて。


えへへ、と笑うと流にぎゅうっと抱きしめられた。



「な、流……」


「ありがと、萌。大切に使うな」


「うん……」



嬉しい……


手作りなんてどうかな、と思ったけど流に喜んでもらえてホッとしちゃった。



「萌」


「うん?何……」



振り向きざまに唇に温かいものが触れる。


びっくりして目を丸くすると、流が意地悪な顔をしていた。



「これ、俺からのプレゼントな」


「え?」