息もできないぐらいにキスされて、もう何も考えられないぐらい頭がクラクラする。



「ひゃ、ぁ……」



首筋に流の唇が触れる。


チュ、という音とチクリとした痛み。


舌が這う感覚にゾクゾクとしたものが背中に走る。



「萌、」



流が、あたしを見下ろしている。


いつのまにか部屋の電気は消えていて、月明かりだけが流の姿を照らしていた。


流、綺麗……



そっと頬に手を添えられる。



「本当に、いい……?」



その姿に思わず笑みが浮かぶ。



「うん。あたしは流が……大好きだから」



そう言うと流もふわりと優しく笑った。


あたしの、大好きな笑顔で。



そしてあたしはこの日、流の腕の中で幸せを感じながら初めての夜を眠った。













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「んっ……」



そろそろと瞼を上げると、そこには流の寝顔があった。



あ、そっかあたし昨日の夜、流と……


昨日のことを思い出してしまいボボボ、と顔が赤くなる。



うぅ……朝から恥ずかしいこと思い出しちゃったよぉ。


でも、嬉しかった。


すごくすごく、幸せだったなぁ。


目の前にいる、寝ている流の顔は少し幼くて。



「ふふ……かわいい」



ふわふわした髪を撫でているとパシ、と手首を捕まれた。


…………え。



「なーにしてんの、萌?」


「なっ、流っ」



起きてたの!?


えっ、いつから?


あたふたと慌てるあたしを見て、流は意地悪そうな笑顔を浮かべる。



うぅ……朝からその笑顔は刺激が強いよぉ。