でも、さっきから……
「これ、萌に似合いそう」
「あの、ゆっちゃん……」
「こっちもかわいい、これも着てみて」
「ゆっちゃん……」
「でもやっぱりこっちかしら?」
「………」
ゆっちゃん、あたしのことばかりだよ……
「ゆっちゃん…」
「ん、何?」
「せっかく来たのに、ゆっちゃんの買い物はいいの?」
「あら、言ってなかった?」
きょとん、とした顔をしてゆっちゃんは更に服をあたしに合わせる。
「今日は萌が明日着ていく服の買い物」
「え?」
くすり、とゆっちゃんは綺麗に笑う。
「せっかくの誕生日よ?
かわいい服着て、少しでも霧谷に喜んでもらわないと」
「ゆ、ゆっちゃん……」
じーんと胸のところがあったかくなる。
「ゆっちゃん、大好き!」
「ちょ、萌!?」
あたしはぎゅうっとゆっちゃんを抱きしめる。
ゆっちゃんも最初は戸惑っていたみたいだけど、仕方ないなぁ、と抱きしめ返してくれた。
もう……ゆっちゃん大好き!!
「……二人して何してるの?」
「「え?」」
声をした方に顔を向けると……
「み、峰くん!?」
「陸真!?」
ラフな格好をした峰くんが驚いたような顔をしていた。
はっ!
あたし今ゆっちゃんと抱き合ってる……!!
カアァ、と顔に熱が集中する。
は、恥ずかしいよぉ……!!
「なんで陸真がここに?」
「ふつーに買い物。夕希たちは?」
「あたしたちも」
ゆっちゃんが峰くんと二人で話をしていたから、あたしはゆっちゃんの隣で少し俯いていた。
絶対顔赤い……顔上げられないよぉ。
「へぇ、そうゆこと」
「そう」
話、終わったのかな?