「だからさー、その"好き"が溢れて、いつか告白に繋がるんだし?誰かに盗られる前にさっさと告白しちゃえよ」


「……そんな簡単に言わないでよ」


「そうやってずーっとウダウダしてると後悔するぞー」



うぅーー………



「そ、そんな話はいいから!!さっさと終わらせよう!」


「照れちゃって〜」



キッ、と睨み付けると峰くんは怖い怖い、と言いながら作業を続ける。


そんなこと言って全然怖くないクセに。


だって笑ってるもん。



それからしばらく峰くんにからかわれながら、15分後には全ての本を整理し終わった。



「じゃ、俺が鍵返しとくから」



職員室に用事もあるしなー、と言っていたのでお言葉に甘えてお願いすることにする。



「あ」


「な、何?」



にやり、と峰くんは笑う。


……何?



「桃ちゃん、鞄教室だろー?」


「う、うん……」


「ならさ桃ちゃん、ついでに流に玄関行っといてって伝えてくれない?」


「えっ!?」


「ついでじゃん。よろしく〜」



峰くんはひらひらと手を振ってさっさと行ってしまった。


あたしはじと、と峰くんの背中を恨みがましく見る。



「そうだ」



そう言ってふいに峰くんが振り返った。



「俺、さっきの冗談で言ったわけじゃねぇから」


「え?」


「告白のこと」



う、……


ジワジワと頬に熱が集まる。



「ついでじゃん?告白してこいよ〜?」



にやり、と笑って峰くんはまた歩いて行った。







……その言葉であたしの顔が真っ赤になってしまったのは言うまでもない。