学校の近くのコンビニに置いてある募金箱に、さりげなく100円入れてるの見ちゃったり。

中庭にちょいちょい現れるにゃんこと、めっちゃイイ笑顔でじゃれてるの見ちゃったり。

もちろん、本人には言ったことないけど。他の人に教えるのももったいないと思うくらい、わたしは、彼の素敵なところを知っているのだ。



「……三宅は、ねこみたいだよな」



不意に彼がそんなことを言うから、思わずぱちりと目を瞬かせた。

そう?って首をかしげると、犬飼くんは小さくうなずく。



「なんか、言動が予測不能。あとちっこいし」

「……犬飼くんも結構ひどい……しかも後のは、犬飼くんがでかいせいもあるしっ」

「はは、お互いさまだろ」

「……ッ、」



彼がフイウチで笑うから、ついどきっとしてしまった。

うわ、顔熱い。赤くなって、ないかな。

……犬飼くんが、こんなふうに笑うってこと。わたし以外、知らなければいいのにな。



「……あ、犬飼くん、窓開けてもいい?」

「別に、いーよ」



熱い頬を冷ますように、カラカラ、すぐ横の窓を少し開けた。

ふわりと、涼しい風が入ってきて、わたしの髪を揺らす。