ダメだ。 確かに雑誌で見た中では、そこまで高級店ではなかった気がした。 けれど、それでもダメだ。 あたしはどこへ行ってもゴムなしで、安い金しか払う価値のない女なんだ。 どこまでも堕ちる。 『あんなさんは、どうして渋谷から吉原に移ろうと思ったのですか?』 急に小泉が優しい目をする。 まるで、あたしがしかられた子供になったみたいだ。