恋はいつでも出会いから。

今は放課後。

今日も学校をサボって屋上で寝ている。

俺は、神埼蓮太。 17歳で高2。

―ガチャ。

「れーんた♪」

はぁ…。 また優奈かよ…。

「何だよお前。 もう来るなって言っただろ。」

「蓮太ひどぉ~い」

「ねぇ、また遊んでよっ♪」

「はぁ? お前となんて遊ばねぇ。」

「えー、お願いっ♪ 私も学校休むからっ♪」

「お前、あてなんていくらでもあるだろ。」

「うーん。じゃ、また今度遊んでねっ♪」

やっとどっか行った。

「ふぅー…。」

俺は、この青空を見るのが好き。

何も考えなくていいし、自由でいられる。

―ガチャ。

また優奈かよ…。

「お前、もう遊べねぇって言ったっ…」

俺は振り返りながら"もう遊べねぇ"と言おうとした。

だ…けど。

「お…まえ、誰だよ。」

肌はまじできれい。小柄で、美人っていうより可愛いって感じの女。

「ふぇ!? ご…ごめんなさいっ」

その女はあわてて屋上の出口に向かって小走りしている。

「ちょ、まてよ。」

女はこっちを振り向いた。

「は…はい。 な、なんでしょうか…。」

俺にすげぇビビってるみたい。 手、震えてるし。

「あのさ、俺と付き合わねぇ?」

俺は、何を言ってるんだ?

今日の俺、何かおかしい。 こいつを見ただけで胸が押しつぶされてるような感じがする。

「え…、いや、あの…。」

「まだ…よく知らないし、その…。」

そりゃそうだよな。 いきなり知らない男から告白されても引くよな。

「ご、めんなさい…。」

「あのさ、名前と学年聞いていい?」

「あ、えっと…田中美羽です。1年生です…。 じゃぁ、私はこれで…。」

「俺は、蓮太。 美羽って呼ぶから。 よろしくな。」

「は、はい…」

美羽は、小走りでどっかに行った。

「はぁ、行っちまった…。」

ってか、今日の俺どうしたんだよ!
び、びっくりした…。

いきなり告白されるなんて思ってなかった…。

さらに、どこからどうみてもチャラ男の蓮太さんから。

と、とにかく里菜ちゃんに電話しよ…。

―プルルル…。

《もしもーし。美羽? どうしたの?》

「あのね……」

親友の荒川里菜ちゃんにさっきの事を全部話した。

《そんなことがあったの!? で、これから美羽はどうする?》

「チャラ男となんて付き合えないよー」

《まぁ美羽は、チャラい人嫌いだもんね。》

さすが親友。 よくわかってるっ!

「だから、断る事にしたんだけど、どうやって断ればいいと思う?」

《そんなの簡単でしょ? ごめんなさい、付き合えません。って》

む…無理だぁーっ!

「里菜ちゃんには出来るかもしれないけどさ……。」

私には絶対できないよー…。 

《ってゆうか、そのチャラ男って誰なの?》

あっ、里菜ちゃんに言ってなかったんだっけ…。

「確か…神埼蓮太っていう人」

《えっっ!? か…神埼君!?》

耳の鼓膜が破けそうなくらいの里菜ちゃんの声にびっくりした。

「そう…だけど…里菜ちゃん、知ってるの?」

《逆にっ!!!!! 美羽、知らないの!?》

「う…ん、初めて見た…。」

《本当に!? もう30分以上も話してるから、また明日学校で話すね!》

そういえば、だいぶ話してたなぁ……。

「うん、分かった! じゃあ、また明日ねっ!」

《はーい♪》

―ガチャ

蓮太って誰なんだろ…。

明日、里菜ちゃんに詳しく聞こっと。

俺、まじでどうしたんだろ…。

いきなり告白してしまったよ…。

今思い出すと改めて恥ずかしっ!///

だけど、美羽まじで可愛い。

今すぐにでも俺のものにしたい…。

…って、何を考えてんだ俺は!!!

~♪~♪

電話の着信音が鳴った。

―ガチャ

「はい、もしもし」

《もしもし~? 蓮ちゃーん?♪》

ん? 誰だコイツ。

「は? 誰だよお前。」

《えっ!? 舞耶だよぉ? まーや♪》

「あぁ、お前か。」

《何よ、その返事~っ》

《ねぇ、今から遊ぼ♪♪》

最近、欲求不満なんだよな‥‥俺。

まぁ、アイツからは絶対振られるんだし。

いいよな。 毎日のようにやってる事だし。

「あぁ、いいよ」

《本当に~!? やったあ~♪♪》

「お前ん家行くわ。」

俺の家は汚いから舞耶の家にした。

《分かったっ♪ じゃあね~♪》

「よし、行くかっ」

俺は家を出た。

「ふぅ~。」

今、私はお風呂に入っている。

頭の中は神崎蓮太って人のことばっかり。

「っていうか本当に、何者なんだろ…。」

明日、里菜ちゃんにちゃんと聞く約束だったんだけど…。

やっぱり気になるっ!

「美羽ーっ?」

お母さんの声が聞こえた。

「なにーっ? 今お風呂入ってるから後にしてくれない?」

「後からでもいいんだけど、美羽の服のポケットの中にメールアドレスの書いた紙、入ってるけどーっ?」

えっ…?

どうゆう意味?

「分かったー! すぐ上がるね!」

体を拭いてと…。

ーガチャ

「上がったよー。 紙、見せてー?」

「はい、これ。 大事なものだと思って、取っておいたよ。」

私は、お母さんから一枚の紙を渡された。

「ありがと…」

確かに小さな紙には真ん中にメールアドレスが書いてあった。

その右下には、“神崎蓮太”の文字。

「えっ…。」

「どうかしたの?」

「あはは…。 いや、何もないよー」

私はダッシュで部屋まで行った。

ーバタン

いやいや、問題あり過ぎでしょ!!!!

ってゆうか、いつ入れたの!?

あのチャラ男っ!

お母さんには何とかごまかしたけど、皆に私の住所聞き回ったりしないかな…。

そして、家の前まで来ちゃったりして…。

あー!!!! ダメダメっ!

マイナスに考えちゃう私の癖、直さないとっ!

それより、どうしよう…。

メールしないと怒られるかな…。

怖いっ! 怖すぎる!

まあ、一応メールしよ…。

『田中美羽です。登録させてもらいました。』

よし、送信完了っ!

~♪~♪

「えっ!? 早っ…!!」

やっぱり、チャラ男はメールが早いのか…。

『メールありがと。 俺の事、嫌いなんだろ? 無理してメールしなくていいから。』

「な、っ…。」

何よっ! その上から目線!!!!

私の事、もう飽きたんだろーね。

よし、返信するっ!

『蓮太さんも私の事嫌いですよね? メールしなくていいですよ。』

~♪~♪

は…早いっ!

『あそ。 まぁ、俺はお前の事嫌いじゃないから。』

えっ…?

そう…なの?

あ…。ダメダメっ~~!

すぐ人を信じちゃダメだよっ!

『そうなんですね。 私はどちらかというと、嫌いです。 ごめんなさい。』

送信完了。

あれ…?

返信が来ない…。 言い過ぎたかな…。

“嫌いです”なんて…。

「あーも~私。ダメダメじゃん!!!!!」

も…もういいや…。

寝よう…。

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