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『父様を守るためにも、あたくしと結婚してください』



『東堂の力で、父様の会社を守ってください』




 南香央が言ったこと。






 つまり、俺東堂君太本人は必要ない。



 必要しているのは、東堂の力だけ。






 俺は存在しなくても良い人。



 別に誰も悲しまない。






 お兄様なら、悲しんでくれるかも。



 俺はそう思っていた。



 色々なことを俺に教え、俺の努力を知っていた唯一の人。







 俺はお兄様なら悲しんでくれると思っていた。