☆☆☆☆☆ 『父様を守るためにも、あたくしと結婚してください』 『東堂の力で、父様の会社を守ってください』 南香央が言ったこと。 つまり、俺東堂君太本人は必要ない。 必要しているのは、東堂の力だけ。 俺は存在しなくても良い人。 別に誰も悲しまない。 お兄様なら、悲しんでくれるかも。 俺はそう思っていた。 色々なことを俺に教え、俺の努力を知っていた唯一の人。 俺はお兄様なら悲しんでくれると思っていた。