☆君太side☆




「・・・よろしいのですか?あんないい方をしてしまって」



「何?俺たちの話聞いていたのか?」



「ええ。聞こえてしまいました」



「・・・良いんだよ。放っとけ」




「・・・それは出来ませんね」




「何でだよ」





 俺は運転手の顔をミラー越しに見た。




「・・・泣いているぼっちゃまを放ることは出来ませんね」




「・・・ッ」




「本当のことを言えばよかったのです。
南様のお嬢様とご婚約したくないと。
朝太様でしたらなんとか出来たはずですよ」




「言っちゃいけねぇんだ。
言ったらアイツが・・・南香央が、何するかわからねぇ」