差し出された包みを凝視する私。
私に…ってことですよね?
マジで?
ちょっと…
なんだか嬉しいんですけど?
「な、なに、これ…」
「開ければわかるだろ」
「いや、そうじゃなくて…私に、プレゼントってことだよね?」
「ああ、そうだけど? いらないなら俺がもらっとくぞ」
「いいいいやいや、いります、いります、もらいますっ」
包みを手にして、
そっと中を開くと。
「あ、これ…」
そこには。
小さいハート型をした、ピンクトルマリンのピアスが入っていて。
光の当たる角度によって、淡く、グラデーションで程よく色を変えるもので。
しかも…
「こ、これ、これこれこれ! 私がずっと欲しかったヤツ」
そうなのだ。
バイト帰り、宝飾店のショーウインドーにいつもへばりついて見ていたピアスで。
でも。
貧乏な私には買えなくって。
いつも指をくわえて見てたピアス。
たま~に、店の人に不振がられて、恥ずかしい思いもした…
「ななななんで? すごい! なんでわかったの?」
「あ?」
「なんで私が、これを欲しがってるって、わかったの?!」
こ、興奮しちゃいますっ。
嬉しいですっ。
でも、なんでコイツがこれを…
す、すげ~…流川直人。
なんで、アンタがこれを選んだのか、不思議だっ!
「ね、ね、ね、なんで? なんでなんでなんで?」
「うるせーな。そんなに興奮すんな」
「だって! 欲しかったピアスなんだよ? すごい」
「あのな、俺ぐらいになると、なんでもわかるんだよ」
「は?」