「お昼ごろいなかったよね? いつ帰ってきたの?」
なんて。
毛布のお礼も素直に言えない私。
だって。あまりにも予想外だったし。
「ついさっき」
「どこ行ってたの?」
「ああ?」
「ちゃんと寝たの?」
「2時間くらいは寝た」
「ふ~ん」
ごろり。
そのまま床に寝転がった流川。
私はその上をまたいで、キッチンへ向かった。
もう一度水を飲もうと冷蔵庫を開ける。
「んん? なにこれ?」
さっきは無かった白い箱が中に入っていて。
取り出して、フタを開けてみれば。
「あっ、ケーキだ」
カラフルなショートケーキが5つ、綺麗に並んでいた。
「わ、わ、わ、ケーキだ、ケーキだ」
なんでだろう。
ケーキを見ると、嬉しくなっちゃわない?
女の子は、みんなそうでしょ?
って、私だけ?
「え~、なんで? なんでケーキ」
冷蔵庫の前で、一人はしゃぐ私。
もしかして、麻紀?
私が寝てる間に、持ってきてくれた?
「ねー、ねー、流川直人」
「なんだよ。っていうか、フルネームで呼ぶなって」
「なんでケーキあるのー?」
はしゃいで聞けば。