「ふ~ん」


 
舐めるように私を見下ろしてくる流川。

 
透視するような、その表情、やめれっ!!



「悪かったわね、ちんちくりんで!」


 
腰かけていたベッドに入り込んで、布団でカラダを覆う。

 
くすくすと笑う流川の声が布団越しに聞こえてくる。


 
きーーーっ、悔しい。


 
しばらくそうやって丸まっていたけれど。

 
もう睡魔には勝てなくて。

 
私はそのまま爆睡してしまった。



目覚めると、壁の時計はお昼を回るところで。

 
あちこち痛むカラダをゆっくり起こして伸びをする。

 
締め切った部屋はすっごく暑くなっていて。

 
私は渋々起き上がり、ベランダの窓を全開にした。

 
生ぬるい風がもや~っと入ってくる。

 
空にはおっきい入道雲が立ち昇っていて、太陽は空のてっぺんで街を照らしていた。



「あちち…」


 
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して一気飲み。

 
熱くなっていたカラダにす~っと冷たい感触が通り抜ける。



「ん? 流川は?」


 
ふと気づいて部屋の中を見渡すと、流川の姿はなかった。



「もう出かけたわけ?」


 
なんて、タフなヤツなんだ…

 
早朝に帰ってきて、昼にはもう居ないなんて。

 
別の女のところか?



「ま、どうでもいいしっ」


 
私は窓を閉めて、冷房を入れた。

 
すっと零れ落ちてくる冷気。



「ふう…気持ちいい…」


 
ソファに座って風に当たっていると、気持ちよくて。



「ZZZZZZ……」


 
私は再び、眠りに入ってしまった。