もみくちゃにされる流川のあとを、

 
取り残された私は仕方なくついて行くしかなくて。


 
案内されたテーブルは。

 
黒々光って重厚で。

 
 
ふかふかのソファは。

 
変に生ぬるく。


 
円形に組まれたその場所で。

 
真ん中に座らされた流川の両隣は、お姉さん… いや、オネエマンたちがガッチリキープ。



「……」


 
唖然として立ち尽くす私。



「こっち来い」


 
流川が手招きすれば。



「ちょっと! ナオちゃんの隣りはアタシよっ」


 
吠えるオネエマン。



「でもアイツ初めてだから」


 
な? と流川になだめられ、渋々流川の隣りを空けるオネエマン。


 
そろそろと歩み寄り、流川の隣りに腰かけた私。



「な、なんで…こんなとこ… っていうか、アンタ、こんなとこに毎晩通ってたの?」


「通うか、アホ」


「でもっ! みんなアンタのこと知ってるじゃん。しかもナオちゃんなんて馴れ馴れしいし」


「バイトしてたんだよ」


「はあああ??」


 
バイト?!

 
流川が?!

 
ここで?!

 
こういう格好で?!



脳裏に浮かぶ、流川の女装は……



「き、キモッ」


「なに想像してんだ、お前」


「あ、あんた…そういう人だったんだ…」