「「ようこそ! オネエマンパラダイスへ!」」


 
ギャッボーーン!!

 

オカシイと思ったんだよ。

 
エレベーターの脇に待機していたお姉さん、やけにでっかいなって。

 
声も、ざらついてるなって。


 
まあ、そういう女の人もいるかと思ってはみたけれど。

 
ぞくぞく集まってくるお姉さまたち、みんな化粧濃すぎるなって。

 
むしろ、仮装行列みたいだなって。



「どどどど、どういうことっ?!」


 
背中から流川のTシャツにしがみ付いて声を上げれば。



「見てのとおりだろ」


「なななな、なんで? 女の人のところって…」


「俺は“女”とは一言も言ってないぜ」


 
そ、そういえば…

 
流川は「あのときのヤツ」ってしか言ってなかったかも…



「もしかして、あの時、私が見たのって…」


「アイツだよ」


 
流川の指差す先には。

 
髪の長い女の…人?

 
 
…いや。

 
オネエマン…



「ナオちゃんっ、まさかあのアパートで、このちんちくりんな娘と住んでるのっ?!」


 
ちんちくりんって。

 
そりゃ、あなたは大きすぎるけどっ。


 
ブルーのアイシャドーに長すぎるまつげ。

 
ほお紅が、濃すぎて…

 
オカメみたいですぅ…

 
 
真っ赤な口紅が…

 
食べられそう…


 
こ、こ、こ、怖いっ!!