「………」


 
あのぉ……

 
ここ、どこでしょう?

 
 
連れられてきたのは。



「女の人って、まさか…」


「ここだけど?」


 
ギラギラのネオン街。

 

「っていうか…その人の部屋じゃないんだ」


「夜はここで働いてるし」


「ここで?」


「そう」


 
あのさ、職場まで押しかけることじゃないんでないの?

 
お店まで連れてきて会わせるって。

 
勘弁してよ…



「わ、私、入らないからねっ」


「今さら何言ってんだよ。着いてきたんだから入れ」


 
着いてきたって!

 
アンタが引きずってきたんだって!



「やだやだやだやだっ! 何で私がこんなギラギラのお店に入らなきゃならないわけっ?!」


「気になるんだろ。ここまで来たからには帰らせねーぞ」


「だから別に気になってないってばっ」


「いいから来い」


「いやだ!」


「じゃぁ、どうやって帰るんだよ。電車なんてねーぞ」


「あ」


 
あああああ……

 
そうだった。そうでした。

 
無常にも最終電車は行ってしまったわけで…



「行くぞ」


「や~め~て~!!」


 
またまた引きずられ…

 
 
くぐってしまったネオン看板。