コンビニでサラダとおにぎりを買って、

来た道を引き返しているうちに、ぽつりと頬に雨粒が落ちてきた。

 

「やばい」



小走りして。

 
細くて暗い帰り道を急ぐ。


 
ぽつぽつとアスファルトを濡らしていた雨粒は、次第にスピードをあげて空から落ちてくる。

 

「ひゃー…」


 
そのうち雨足が強くなってきて。

 
小走りしていた私の足も、おぼつかなくなってきた。

 
やっぱり、運動不足。

 
息が続きません…


 
サンダルの足元が、すっかりびしょびしょになってしまって。

 
白いTシャツも、肩のあたりがしっとり重い。


 
傘を持ってこなかった自分を恨んだ。

 
ひ~ん…こっからまだ、200メートル以上あるよ、部屋まで。

 
他の人にならどうってことない距離も、今の私には、果てしなく長い道のりに思えてきて。

 
しかも相当お腹が減ってるし。

 
く、くらくらしてきました……



「もう、なんで私ばっかりこんな目にあうのぉ」


 
濡れた前髪が目に張りついて、視界がぼんやり滲んでくる。

 
流川が現れてから、ひどい目にあってばっかりだ。

 
 
小走りしていた足はとうとう動かなくなって、もつれてきて。



「いいや、もう」


 
やけくそになった私は、走ることを諦めた。

 
濡れながら、とぼとぼ歩く。

 
 
暗い道は雨のせいで余計に黒く染められていて。

 
人通りはまったくなくて。

 
ちかちか灯る街灯は心細くって。

 
 
私は嫌なニュースを思い出していた。