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その日。

 
バイトを終えて彼の部屋に帰ると。

 
なぜか、玄関先に灯りが漏れていて。



「あれ? なんで?」



中に誰かがいるなんて、ありえなかった。


彼はサークルの合宿に行ってるはずで。

 
今日からこの部屋には私ひとりのはずで。


 
なのに……オカシイ。


 
おそるおそる玄関のドアノブをひねれば。




 
カチャリ……



 
 
普通に開いてますけど…



「え? なんで?」


 
もしかしたら合宿、明日からになった?

 
 
期待して。

 
玄関にあがりかけた時。

 
 
ふっと足元に視線を落とせば。



「は? 誰の靴?」



見覚えのない、

 
もちろん彼の趣味でもない、

 
黒いスニーカーがコロン…と。

 

転がっていた。