しばらく流川の寝顔をぼうっと見ていた私。

 
太陽はいつのまにか高いところにいて、部屋のなかを黄色く明るく照らしていた。

 
 
今日はAM10:00からバイトの入っている日で。

 
時計を見ると、AM8:00。

 

「やばい」


 
バイト先のファミレスまで、ここから電車に乗って移動して、向こうで着替えしたりなんだりで、1時間かかる。

 
9時には出ないとマズイのだ。


 
私は眠り込む流川のいる部屋をあとにして、急いで身支度を開始した。


 
シャワーを浴びている間。

 
流川が起き出してこないか、終始ハラハラして。

 
念のため、バスルームのドアに、内側からガムテープまで貼り付けた。

 
 
はあ…

 
なんでここまでしなきゃならないの…?

 
要くんと私の部屋なのにっ。

 
これじゃ、私が侵入者みたいじゃん…


 
緊張しながらシャワーを浴びて。

 
そろりとバスルームから出る。

 
 
そっとベッドを見ると、流川は気持ち良さそうに眠っていた。



「人の部屋であんなに気持ち良さそうに…」


 
ムカつくけど、寝顔はカワイイ。

 
それもまたムカつく!


 
髪を乾かして、ジーンズに足を入れて、白のチュニックを合わせて。

 
身支度を整えて部屋を出ようとしたときに目に付いた、テーブルの上。



「あああっ、もうっ!」


 
流川の朝食のお皿。片付けてなくって。

 

「なんでここまで私が…」


 
迫る時間に慌てながら皿を洗って。

 
低めのヒールの付いたパンプスに急いで足を突っ込んで外に出た。