「こっからお前の部屋までどのくらい?」

「え?」

「結構あるんだろ?」

「うん…1時間はかかるかも」

「じゃ、ダメだ。遠すぎる」


 …そんな理由?


「でも…私、結構料理得意だし」

「んなのわかってるよ」

「カエルも、待ってるし」

「そんなの、いつでも会えるだろ」

「でもでもでも…」


 一緒にいたい。

 少しでも。

 そんなこと思ってる私がいるのは、確か。


 再会して、たった二日目で。

 そう思っちゃう私って、軽い?

 それとも、流されてるだけ?


「メシ食ったら、帰るぞ」

「帰るって?」

「自分のとこ。俺も、お前も」

「……」


 なんでだよぉ。

 せっかく会えたのに。

 ここまでして誘ってるのに。


「なに食うかな。この辺、何があったっけな」


 もじもじする私におかまいなしに。

 辺りを見渡す流川。


「…私の部屋でいいじゃん。ちょっとくらい、我慢しなよ。美味しいの作るからさ」


 ブツブツ。

 言えば。


「また今度でいいだろ」


 突き放すように。

 
 なに?

 さっきまでの態度と全然違うじゃん。