「なんで?!」


 なんで?

 なんでなんでなんで?!


「なんでラブホなのっ?!」


 さっきまで駅にいたはずじゃ…


「何? お前、覚えてねーの?」

「お…おぼ…?」


 え~と…

 オネエマンと踊って…

 流川を呼んで…

 サラリーマンが寝てて…

 あ、順番逆か。

 まあ、いいとして…

 それよりあのおじさん、帰ったのかな?

 ま、それも置いといて…

 流川におんぶされて…

 え~と…

 ………

 え~と…?



「お、ぼえて、ない…」



 全然。

 記憶なし。


 
 そんなことよりっ!


「だっ! ばっ!」

「あ?」

「帰るっ!!」

「は?」

「私、帰るっ!!」


 ラブホなんて…

 なんで流川とラブホなんて…

 ちょっと…いきなりすぎでしょっ?!


「帰る帰る帰るっ!」


 叫びながら起き上がるベッドの上。

 なぜか、自分のカラダの露出度高め。


「!!!!!!」


 なんですかっ!

 この格好っ!


「きゃーーーーっ!!」


 慌ててもぐる布団の中。

 暗がりで目を凝らすも、やっぱり。


「なんでぇ?」


 ブラジャーとパンツ一丁。


 なんでなんでなんでっ?

 わかんないっ。

 全然っ。