「迎えって」


 あきれ声の流川は。


「もう終わってんだぞ、俺たちのレンタル関係は」


 そうですよ、終わってますよ。

 終わってるってことにしちゃえばね。


「もともと俺があの部屋を借りてるうちの契約だったしな、お前とも」


 ええ、そうですよ。

 そんな感じの交換条件でしたけど。


「いきなり迎えに来いって話もねーだろ」


 …頼み方は確かに悪かったです。

 でも。


「まだ残ってるもん…」

「あ?」

「あと一日」

「あと一日?」


 そう。

 あと一日、残ってる。

 
 一番最初の約束は、一ヶ月だったんだから。

 要くんの部屋の家賃だって、一ヶ月払ってるんでしょ?

 …ってもう、あの部屋を流川が使うわけにはいかないんだけど。


 でも契約は、まだ有効。

 
 って。

 これじゃ、無理やりだけど。

 流川ばっかり、損してる感じだけど。



「レンタル期間、あと一日残ってるもん」

「あのな」

「残ってるもん…」


 この男に。

 俺様に。

 こんな理屈が通るんだろうか…


「……」

「……」


 く… 苦しい…

 何か言えっ 流川っ。