シャワーを浴びて。

 ベッドのなか。

 要くんと二人。

 久しぶりの腕枕で寝る、二人のベッド。


 昨日まで、流川もこのベッドを使っていたと思うと、なんだか不思議な感じがして。

 それでも。

 大好きな人の腕のなかで寝れる喜びを私は感じていた。


「唯衣」


 私の髪を撫でながら、要くんの声。


「うん?」

「さっき気づいたんだけどさ、胸んとこ」

「ん?」

「どしたの、それ?」

「え? なに?」

「赤くなってるけど」

「赤く?」

「うん、ここ」


 言って。

 要くんが触れたのは、私の左胸。


 指を追って見れば。


「…あ」


 赤い…

 キスマーク。


「あ、こ、これは…」


 流川の…

 小さく走った痛みは、これだったんだ…

 
「あ…転んじゃって」

「転んで?」

「う、うん。転んで…下にモノがあってね、ぶつけちゃって」

「…そそっかしいな、唯衣は」

「へへ…」


 苦しい言い訳。

 要くん…疑ってるかな。