「ほら、カエルの隣りで寝ろ」
流川の腕が、私の肩に回されて。
カラダから、ほんのり温泉のにおい。
や、やめてくれ。
ホントにくらくらしてきた…
ふらつきながら、カエルの側につれていかれて。
言われるまま仰向けに寝転がった私。
流川が頭の下に座布団を敷いてくれて。
「ここで倒れたら夕飯食えねーぞ」
「それは…やだ」
「しかし赤過ぎるな。どんだけ長風呂したんだ、お前」
だから、違うんだって。
「あんたのせいなんだから」
「ああ?」
「あんたが、私より色っぽいから」
「は? 何言ってんだお前」
麻紀といい、流川といい、容姿が整いすぎてるって。
それに比べて私…浴衣姿だってきっと様になってないし。
私だけ流川の浴衣姿に反応して、バカみたい。
これじゃただの変態じゃん。
ああ、なんだか…いろんなことに自信無くしてきた…
「どうせ私は、ちんちくりんだもん」
「はあ?」
「変なブラジャーしてるし」
「…まあな」
「麻紀みたいに美人じゃないし、胸だってちっちゃいし」
「………」
そばに座っていたカエルを抱いて、私は流川に背を向けた。
ぎゅうっとカエルを抱きしめる。
カエル…あんたは私の見方だもんね…
「なんだ? 頭までのぼせたか」
「ふんっ。女なのに、男のあんたより色っぽくない私のことなんてほっといて」
「…口までぶっ壊れたか」
「どうせ、私には魅力なんて無いですよーだ」