「し、しまった…」


 
脱衣所で、固まる私。



「どうしたの?」


 
バスタオルで髪をふきながら麻紀が振り向いた。



「下着…」


「下着? 忘れたの?」


「いや、ちゃんと持ってきたんだけど…」


 
言って。


袋から取り出したのは。



「あ、それ」


 
麻紀からもらった、テカテカ真っピンク下着・黒レース付き、ちっちゃいパンツ添え。



「あら唯衣、なに? 今夜あたり勝負するつもり?」


 
いやらしく笑う麻紀。



「違うって…」


「まさにもってこいのシチュエーションじゃない。今日みたいな日にちゃんと持ってくるなんて、あんたも大人になったわね」


「だから違うんだってば」


 
たぶんこの下着、この先も使うことはないだろうと思った私は。

 
でもせっかくくれたんだし、麻紀には着けたところを見せてあげようと思い。

 
ふたり部屋だと思い込んでいたこともあって…

 
これしか、替えの下着を持ってきてなかったのだ。



「どうしよう…」


「どうしようって、別に問題ないじゃん」


「だって、流川と同じ部屋だよ? パンツなんて、こんなだよ? いくら浴衣着てるてはいえ…落ち着かないじゃん…」


「慣れれば大丈夫よ」


 
そういう問題じゃないの。

 
何食わぬ顔で、私と同じ色をしたブラジャーとパンツを装着する麻紀。



「麻紀までその色なんだ…」


「おそろいみたいでいいじゃない」


 
嬉しそうに浴衣を羽織る麻紀のおしり。

 
半分でちゃってます…


 
渋渋ながら、私も装着してみたけれど。



「あらぁん、可愛いわよ、唯衣」


 
言われて見る鏡。



「……う」


 
か…可愛くねーって!

 
エロエロだって!


 
半ケツ出てるって…

 
むしろ、全部出てるって!