「ふ、ふがふが…」


 
口をふさがれたまま、懸命にもがく私。


 
「ば、ばにゃ、ぢ…で」


放してっ…って言いたいのに、っていうか言ってるんですが。


大きな手に、口どころか、顔の半分までふさがれてて声が出ない。


 
「ぐ…ぐる…ぐるぢい…」



ち…窒息、する…



「放すから、騒ぐなよ?」


騒ぐなよ?


私のこの状態を見て、あんた、どう思ってるわけ?


騒ぐに決まってるでしょーが!



「ふがふが!!」


「ふがふがじゃ、わからん」



あのね…


ふがふがしか言えないってーの!



「何にもしないから、騒ぐなよ?」


「ふぁ…ふがが」


「わかったか?」



と、とりあえずこの手を放してもらわない限り、私は息もできなくなりそうで。


すでに苦しくて半分死にかけてて。



うんうんうんうん!

 

懸命に首を縦にふった。