「ま、そういうことだから」
「ちょっ、ちょっと! 意味わかんないからっ」
「わかんないって言われてもなぁ。そういう話で契約は済んでるし」
「け、契約って…それの意味わかんないって言うのっ」
「ヨロシクお願いしますのキスでもしとく?」
「はあ?!」
目の前の男。
バスタオル一丁で。
私は唖然と玄関先で立ち尽くしていますけど。
こ、この状況…なに?
ニヤニヤしながら。
どんどん近づいてくるバスタオル男。
「ぎゃーーーっ!!」
突然差し伸べられた腕に成すすべもなく。
私は。
不覚にも……
気を失った。
――ひと夏の一風変わった私の体験談。
……聞いてもらえます?